右にならえ! 本「世界から戦争がなくならない本当の理由」感想

説明

今も世界のどこかで戦争は行われている・・・。
何故世の中から戦争は消えないのか、その理由を過去の日本、アメリカ、ヨーロッパ諸国、ベトナムなどに焦点を当て紐解く。

画像出典元: https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E7%90%86%E7%94%B1-%E6%B1%A0%E4%B8%8A-%E5%BD%B0/dp/4396615345

感想

池上さんの本を読むのは初めてでしたが、テレビでの印象通り、非常に理解がしやすく書かれています。

この本からでも良いですが、歴史のこと全然分からないという人は、最初は漫画版やYouTubeの動画などから見つつ、こういった本を徐々に読んでいくのが理解しやすいと思います。

私自身も歴史素人なので、最初はYouTubeなどから知識を得て、この本を読みました!

そして読めば読むほど、人間が過去の出来事から、本当の意味で学ぶのは難しいことという視点が見えてきます。

また戦争から学んだことがあったとしても、その捉え方を誤り、さらなる戦争を起こすというケースもあります。

その要因や、人間の習性にスポットライトを当てて解説をしていく本です。

その中で特に印象的だった点を感想として書きます!

国民性が作られるとき

日本は戦後、戦勝国のアメリカから新憲法の作ってくれと命令がありましたが、作ったものをふたを開けてみると、言葉を変えたのみでほぼ内容が変わらないものでした。

アメリカが日本に作ったGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)のマッカーサーはそれに激怒し、日本人に任せても、民主的な憲法は出来ないと判断しGHQにて憲法を作ります。

これだけ見るとアメリカから「押し付けられた」ように見えますが、その1952年以降、日本国憲法は一文も書き換えられていません。

ここには日本人の今も受け継がれる、主体性の無さ(流されやすさ)が読み取れると思います。


もう一つエピソードを紹介します。

戦時中のパイロットの話で、アメリカと日本の考え方の差から勝敗を左右した話です。

パイロットを教育し、一流にするには、訓練などで莫大な費用がかかります。

その為アメリカは、とにかくパイロットを死なせないように、戦いの中、戦闘機から脱出し海に落ちたパイロットを潜水艦で救うなど、その対策まで作戦に入れていました。

それに比べ、何も対策をしていない日本軍は、パイロットの個々の能力に任せるだけで、出撃回数の多い優秀なパイロットほど、早く戦死をしていきます。

ある日、日本の戦闘機の乗っているパイロットがあることに気づきます。

味方の戦闘機が、地上からの対空砲攻撃から弾が当たっていないのに、次々に撃墜されていっていました。
「何か裏があるはずだ」と考えた日本軍も、理解が出来ないままでしたが、実はアメリカは新兵器を開発しており、直接弾が当たらなくても、戦闘機の近くに来たことを感知して爆発する「近接信管(きんせつしんかん)」なるものを開発していました。

もともと高速で飛んでいる戦闘機に弾を当てることは、非常に難しいという課題から、アメリカが合理的に考えた工夫です。

そこに対して日本は「命中しないのは、個人の腕が悪いからだ」とばかりに訓練をすることしかできませんでした。

現代でも、日本人はミスに対して「もっと真剣にやれ」「技術をもっと磨け」などと、精神論で叱るが多いことを考えれば、日本人の思考は戦争が終わった時から、何も進歩していないのではないでしょうか。

・合理的な工夫をするアメリカ
・精神論で個人に責任を問う日本
この考え方の差も勝敗には大きく関連したと思います。

もちろん、当時の日本にはそんな余裕も無かったかもしれません。

ただ、私たち自身のことなので、逆に言えば私たち自身で変えていくことが出来ます。

急に世の中の何かを変えるということは難しいですが、まずは自分自身の心がけとして、持つこともしたいと思いました。

主体性の無さが国を先導する

主体性のが無いのに、なぜ先導できるのか?という話ですが戦時中は、常にテレビ、ラジオでは自国を称賛する映像や言葉が流れていました。

ですが、発信される情報に対して、真っすぐに向き合い、自分の頭で考えていけば、情報にどれだけの信頼性があるのかどうかは、ある程度判断が出来ます。

湾岸戦争時、アメリカの空爆がピンポイントにイラクの基地に爆撃される映像が流れ、称賛を受けます。

ですが、実際は何度も誤爆をしており、民間人の犠牲者も出ているということが明らかになりました。

そりゃあ、命中した映像だけ流せば、百発百中に見えますよね。
「アメリカは正しく、そして最強なんだ」という情報統制です。

日本も同じくラジオ、新聞からは愛国的な発信のみなり、それに背く新聞などに対しては「売国」だとクレームが入り、情報規制がかかっていきます。

これらが一番悪影響を及ぼす部分は、国民一人一人が正確な情報を元に正しい判断が出来なくなることです。

「これはどちらに非があるんだろう」と考えられなくなることです。

国が主導をした戦争の空気は、やがて国民を包み、その根底の考え方にしみ込んでいきます。

そして国民は自分の頭で考えることをやめ、右にならえの国民性が出来上がります。

これこそ一番危険な状態だと私は思います。

池上さんも最終章では

本当に怖いのは異常な独裁者ではなく、それを支える国民の熱狂なのです。

出典元:祥伝社新書 「世界から戦争がなくならない本当の理由」 著 池上彰

と述べています。

政府もコントロールが効かなくなる、「悪い国民性」というイデオロギー(他の人まで左右するような考え方)が現代も日本人に染みついています。

まとめ

とはいえ、池上さんいわく、アメリカの指示から始まった自衛隊も戦後から現在に至るまで戦死者を一人も出すことなく、また他国の兵士を殺すことも無かったようです。
自衛隊の死傷者について考えたことは無かったですが、改めて歴史を知ったうえで、知ると感慨深いものがあります。

これは日本が誇れるものであり、今後もそうであってほしいと願っています。

自衛隊、軍隊でも彼らが退屈であってもらうことが、私達がなにより願うことですね。

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